中国人パブから脱出した私は、辺りを探索してみた。
2分ぐらい歩いた所に見慣れた顔つきの写真が張り出してある店があった。
そう、フィリピンパブです。
新人多数入店とポップが張ってあります。
よく見ると写真の下に「ニューフェイス」と紙が貼り付けてあります。
(後で重大な問題を発生させる事になります)
この2日間、非常に状況がよくない事を考えてここはひとつ賭けに出る事にします。
それは、「女の子を写真で選んでしまう」という事です。
早速、ニューフェイスのSちゃんという子に決めました。
お店に入りテーブルに案内されました。
ここもお客が、入っておりPナ達は全員テーブルに付いていました。
「指名は、ニューフェイスのSちゃんでお願いします」と告げるとスタッフは、急に笑顔になりながら「すみません。今指名が入っているのでしばらくお待ちください。若い子をヘルプで付けますが宜しいですか」と言います。
せっかく指名したので「いいですよ」とジェントルマンの私は、快く答えます。
どうせヘルプの子は、自称若い子かななどと思っていました。
「いらっしゃいませ」と言いながらヘルプの子が来ました。
あら?本当に若い子だ!
しかも日本語が、ほとんど喋れません。
肌の色も小麦色の本当に田舎から出てきて間もないようです。
フィリピンから来てまだ10日間ぐらいしかたっていないファーストタイマーでした。
23歳のYちゃんと言います。
日本語が喋れない彼女は、日本語だけの客が多くて困っていたようです。
片言ですが英語とタガログ語での会話に非常に喜んでくれました。
体を引っ付けてきて日本語を教えてくれと言ってきました。
太腿をさすり、胸をさすりながらの日本語の勉強です。
ノートにローマ字で書きとめていきます。
ついでに携帯の番号も交換します。
「プライベートでも日本語教えてね」と言ってきました。
ホームランとは言えませんが久々のヒットです。
スランプから抜け出した気がしました。
そこへスタッフが、「お待たせしました。Sちゃんです」と女の子を連れてきました。
おう、そうでした。Yちゃんはあくまでもヘルプでした。
写真で選んだSちゃんを指名していた事を思い出しました。
期待に胸を膨らませながら、見上げるとそこには